0の切れ端

仮面が好きです。
多分、自分じゃない誰かになれるから。
仮面さえ着けていれば、自分のことを見なくていいから。
そうやって、自分じゃない何かを演じ続けてきたもんで、
仮面を取った自分の素顔がよくわかりません。
自分の好きなものも、やりたいことも、得意なことも、苦手なことも、感情も、
自分が何者なのか、なにもわかりません。
もう、なにも、わかりません。
でも、この先生きていくには、自分とちゃんと向き合わないといけないんだと思います。
自分と向き合って、話して、自分が何者なのか自分で知っておかなくちゃいけない。
だけど、今まで一度もちゃんと話したこともないし、
顔すらまともに見たこともないのに、どうやって話せばいいんですかね。
一番身近にいるはずなのに、何も知らないんです。
話し方も、目の合わせ方も、わからないんです。
どんな顔、してるんですかね。
儂は、誰なんですかね。
そろそろ、自分じゃない誰かを演じるの、止めないといけないですね。

そうやって言い続けて、20年以上過ぎて、
まだ、なにもわかっていません。
それどころか、顔も合わせていません。
他人のこと考えるより、自分のこと考えないといけないなって、
最近、思います。

いつになく無秩序。